概念を学んだだけでは、学びは自然には転移しないの?

LAFTの新シーズンが始まり、りえこのガイドで「概念型探究」をテーマに動き出した。そんな中で、僕がふと「授業で学んだことなのに、なかなか転移しないんだよねー」という話をしたとき、りえこから返ってきたフィードバックが刺さった。「本当に行動に移させたいなら、授業そのものの設計にそれを組み込まなきゃいけない」と指摘され、膝を打った思いがした。

振り返ってみると、こういうことよくあるな。プロジェクト・アドベンチャーを取り入れたりしてきたけれど(PAJ30周年おめでとうございます!)、行動変容まで到達しない場面は多かった。あのもどかしさの正体は、僕のプログラム設計そのものの弱さだったんだなぁ。一方で、「でも、そこまで構造化しないと、学んだことって行動に結びつかないの?」という戸惑いもある。

気になったので、前回までのLAFT学習科学で扱ってきた文献をひもとくと、『授業を変える: 認知心理学のさらなる挑戦』に書かれていた。「転移はデザインされなければ起こらない」。学んだ内容を複数の文脈で使わせること、どこで使えるかを予測させること、実際に試させ、振り返らせること。そしてそのループを授業の中に埋め込むことが必要だという。授業内で完結した学びほど、転移しにくい。なるほど、これは読んではいたけれど、なんとも実感が薄かったなぁ。

いま取り組んでいる6年生の平和教育にもそのまま重なる。5年生から哲学対話を積み重ね、中村哲さんの資料の読み合いを重ねてきた。そのうえで6年生では修学旅行を後に、「自分は何を考え、これからどう行動したいのか」を問う場をつくっている。しかし、その蓄積が日常の関わりや、3学期の「まとめの会」のあり方にどれだけ結びついているのかと考えると、まだ十分ではないなぁ。概念を学び、自分の言葉で再構成し(一般化)、それを行動につなげる。こういった授業設計を、意識していきたい。

もちろん、転移には多様な議論がある。その中のひとつの視点を理解したにすぎないけれど、それでも大きなヒントになった。学んだことを別の文脈で応用し、複数の知識を組み合わせ、「自分の問題」として引き寄せられるようになって、初めて転移は起こる。これは教え込むだけではどうにもならない。

プログラムデザイン、授業設計、ちょっと見通しをもって意識して取り組んでみたいとおもう。このことに気づけたのが、今日いちばんおもしろかった。あと3回のLAFTがどう変わっていくのか。今はそれが楽しみだな。ちなみに僕の概念型探究のテーマは「数学的パターン」みたいなものを扱いたいなぁ。

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